不思議な世界観で人気があるのが、たむらしげるさんの絵本です。
動物などの可愛らしい登場人物をテーマにしたものから、月夜の晩に散歩したくなるような美しいブルー基調の絵本まで、さまざまな作品があります。
ここでは、復刊ドットコムから出版されている、たむらしげるさんのファンタジー絵本を紹介します。
復刊ドットコムとは?
復刊ドットコムとは、絶版や品切れで手に入らなくなった本を、読者の声で復刊させることを目的としている日本の出版社です。
読者からのリクエストという形で復刊希望を受け付け、一定数以上の投票が集まればスタッフによる復刊活動がされるという仕組みです。
絵本だけでなく、コミックや専門書までさまざまなジャンルの本を取り扱っていて、これまでにさまざまなジャンルの本が蘇ってきました。
読者の希望により復刊したものは、根強い人気があるのでしょう。
たむらしげるさんの描く世界
独特の画風が魅力の絵本作家・たむらしげるさん。
絵本はもちろん、雑誌「TVステーション」の表紙を毎号飾っていることでも知られていますし、ショッピングモールのイメージも手掛けられています。
あとは、有名デパートのショッパーデザインなんかも。
その魅力は、2次元だけに留まらず、映像の世界からも発信されています。
そんなたむらしげるさんの描くファンタジー絵本には、どんなものがあるのでしょうか。
絵本「クッキー・サーカス」
作者:たむらしげる
出版社:復刊ドットコム
出版年:2014年
おすすめ年齢:4歳児~
1980年代に文化出版局から初出版後、1990年代には架空社からの復刊を経て、2014年に新たに生まれ変わった絵本「クッキー・サーカス」。
最新版は全面的に色を塗り替え、クッキーの輪郭に色を使うことによって、さらに美味しそうに見えるようになったのだとか。
型抜きクッキーは、色々な形がありますよね。
クッキーがオーブンで焼き上がったら、サーカスがはじまるという夢いっぱいのファンタジーです。
クッキーが等身大の大きさになっていくのも、楽しい展開です。
ネコのビックリしている表情など細かな部分に茶目っ気があり、隅々まで心憎い演出がされています。
ママのお手伝いで「ぼく」は、動物たちやピエロのクッキーをつくります。 オーブンの中から音楽が聞こえてくると、 クッキーのサーカス一座が街へ繰り出し…。
出版社 復刊ドットコム公式HPより引用
絵本「へんてこハウス」
作者:たむらしげる
出版社:復刊ドットコム
出版年:2014年
おすすめ年齢:4歳児~
かっちりした線が特徴的なたむらしげるさんですが、この絵本はふんわりした優しいタッチで描かれています。
登場するのは、森の小さな生き物・さまざまな虫たちが住む、ユニークなハウス。
創造性に溢れたファンタジックなハウスの数々が魅力的です。
虫たちの生活スタイルに注目し、想像力がふくらみそうな作品です。
虫好きな子はもちろん、絵がきれいなので、虫が苦手でも大丈夫。
こがねむしのぎんこう、てんとうむしのかさやさん、りすのぼうしやさん…。 森に住む虫や動物たちの暮らしをたむらしげる独特の世界観で描いた傑作絵本『へんてこハウス』。
出版社 復刊ドットコム公式HPより引用
絵本「うちゅうスケート」
作者:たむらしげる
出版社:復刊ドットコム
出版年:2014年
おすすめ年齢:4歳児~
たむらしげるさんといえば、“宇宙絵本”というイメージがあります。
青い宇宙の中で、ポツンと浮かぶボートが美しい表紙。
たむらしげるさんの“宇宙絵本”の代表作ともいえます。
星空や、土星に着くまでの道のりの美しさを堪能できます。
SFメルヘンなのだけれど、懐かしさを感じる不思議な趣。
そのまま眠れば、子どもも大人も、いい夢が見られそうですね。
ある夜、ルネ君のもとに流れ星の手紙が届きます。 「土星に素敵なローラースケート場ができました。遊びに来て下さい。」 宇宙人のミュー君からです。 ルネ君はおじいさんとボートをこいで夜の空へ!
出版社 復刊ドットコム公式HPより引用
絵本「一千一秒物語」
文:稲垣足穂
絵:たむらしげる
出版社:復刊ドットコム
出版年:2003年
おすすめ年齢:5歳児~
たむらしげるさんが影響を受けたとされる人物の1人、稲垣足穂さんの文庫が原作の「一千一秒物語」。
稲垣足穂さんの文に、たむらしげるさんが1枚交互に絵をつけています。
月夜の晩に、散歩をしたくなるようなファンタジーかつ、モダンな大人の雰囲気が漂う絵本。
大人におすすめの絵本です。
稲垣足穂の原作に、たむらしげるがCGイラストを描いた、という素晴らしい絵本。 時を越えて、奇跡的とも言える絶妙の組み合わせにより生まれた魅力的で不思議な世界。
出版社 復刊ドットコム公式HPより引用
絵本「ながれ星のよる」
作者:たむらしげる
出版社:復刊ドットコム
出版年:2005年
おすすめ年齢:4歳児~
たむらしげるさんの絵本でお馴染みのランスロットは、この絵本から生まれました。
リンゴの木とロボットのランスロットが、流れ星を見に行くというファンタジーです。
静かだけどにぎやか、暗いけど明るい。
そんな矛盾な感覚が心地いいのは、たむらしげるさんワールドならでは。
幻想的な夜の美しさ、煌びやかな流れ星、ブルー基調がひたすら美しい絵本です。
絵だけでもストーリーを追える構成なので、小さな子にもおすすめです。
「えー、ほんじつ ごご8時ちょうど すりばち島に ながれ星がふります」。 ある夜、テレビの声にさそわれて、ロボットのランスロットはリンゴの木と一緒にすりばち島へ出かけました。 とちゅうで“あるくビルディング”に出会ったり、クジラの背中に乗せてもらったり…。 ふたりのすてきな夜が始まります。
出版社 復刊ドットコム公式HPより引用
たむらしげるさんファンタジー絵本まとめ
- 独特な画風と世界観が魅力的な絵本
- 動物などをテーマにした子ども向けの物語から、大人も満足度の高い美しい絵本まで幅広いテーマがある
- ほかにも福音館書店などの出版社からたむらしげるさんの絵本が出版されている
今後の新刊などにも期待しましょう。