「子どもが歯磨きをいやがる」「おやつしか食べたがらない」などの悩みを抱えるお母さんは多いでしょう。
食事や歯磨きは毎日のことなので、その度に言い聞かせたり、歯磨きの体制にさせたりするのは大変ですよね。
そんなときにおすすめなのが、“歯”の絵本です。
ここでは、数ある虫歯絵本の中でも特におすすめしたい、かこさとしさんの虫歯シリーズ絵本を紹介します。
歯磨き嫌いや偏食する子どもに変化?!
「ごはんじゃなくて、お菓子がいい!」
「歯みがきしないっ」
幼児期の子どもがよく言うワードですよね。
親としては、好き嫌いなく食べたり、きちんと歯磨きをしたりして、健康な歯でいてほしいと思うもの。
子どもは成長とともに力も強くなってきますし、できたら言い聞かせて歯磨きの体制にしたいものです。
そんなときにおすすめなのが、“歯”をテーマにした絵本。
数ある歯の絵本の中でも、説得力に長けているのが、かこさとしさんの虫歯シリーズ絵本。
「なぜそうなるのか」が分かりやすく描かれていて、子どもの気持ちが切り替わると好評です。
かこさとしさんの虫歯シリーズ絵本にはどんなものがあるのでしょうか。
かがくのとも絵本「はははのはなし」
中央児童福祉審議会推薦図書
作者:加古里子
出版社:福音館書店
出版年:1972年
おすすめ年齢:4歳児~
加古里子さんの代表的な歯の科学絵本です。
半世紀も語り継がれているので、知っている方も多いのではないでしょうか。
歯の役割をはじめ、虫歯になるメカニズム、おやつの食べ方など、子どもが納得できるようにわかりやすく描かれた作品です。
歯磨きをしないからだにどんな影響があるか、虫歯にならないためにはどうすればよいのかを知れば、子どもは自ら考えはじめますよね。
昔ながらの表現もありますが、わかりやすいように補って読み聞かせるなどすれば問題ないでしょう。
大事なことを“ははは”と楽しく伝えているうえ、結末も明るい絵本です。
歯が痛くなると、大人だって泣いてしまいます。そんなに痛いなら、いっそ歯なんかなければいい?いえいえ、歯がなければごちそうだって食べられません。歯がごちそうをかみきり、すりつぶして、体の中に送ることで、栄養がとれるのです。じゃあどうして虫歯になるのでしょう。虫歯にならないためにはどうしたらいいのでしょう。歯の役割、虫歯になるメカニズムや歯みがきの大切さを、子どもたちにわかりやすく伝えます。
出版社 福音館書店公式HPより引用
かこさとし・むしばのほん1「むしばちゃんのなかよしだあれ」
全国学校図書館協議会選定図書
作者:加古里子
出版社:フレーベル館
出版年:2010年(復刊)
おすすめ年齢:3歳児~
半世紀前に初版されたフレーベル館の「かこさとし・むしばのほん」の復刊です。
歯の大切さや歯を磨かないとどうなってしまうかを子ども達にやさしく語りかけます。
好き嫌いがある子も「やっぱり食べる」と切り替わったという声もあります。
幼児向けの絵本ですが、大人も勉強になりますよ。
かこさとし・からだの本「むしばミュータンスのぼうけん」
全国学校図書館協議会選定図書
学校図書館ブッククラブ選定図書
作者:加古里子
出版社:童心社
出版年:1976年
おすすめ年齢:4歳児~
ミュータンスとは、ヒトの口の中に存在する虫歯の原因菌です。
歯の絵本には「歯磨きしよう」という内容が多いですが、この作品が面白いのは、虫歯菌ミュータンスの目線で描かれていること。
「歯磨きやめて虫歯になろう」という逆説的な内容で、育ち盛りの子ども達に虫歯の怖さを伝えます。
ムシ歯菌ミュータンスが、子どもたちにムシ歯をすすめる形式で、ムシ歯のこわさをおもしろく説く。
出版社 童心社公式HPより引用
復刊かこさとし紙芝居・かがくのいりぐち「6がつ6ちゃんはっはっは」
作者:かこさとし
出版社:童心社
出版年:2014年
おすすめ年齢:4歳児~
かこさとしさんの歯の作品は、紙芝居も出版されています。
歯が痛くて泣いている6ちゃんを主人公に、ストーリー仕立てにわかりやすく歯のことを伝えます。
紙芝居は、次の場面に切り変わるときに紙を抜くので、物語が急展開したり、紙の抜くスピードで躍動感を出したりすることができます。
兄弟で歯の大切さを知ってもらいたいときや、大人数の読み聞かせ会におすすめです。
6がつ6ちゃんは、歯がいたくて、めそめそ泣き。外で遊べない、あまえんぼうの弱虫ちゃん。そんな6ちゃんのところへ、ふしぎなおばあさんがやってきて、6ちゃんを弱虫の国へ連れていきます。ところが、そのおばあさんは、弱虫の子どもをあつめて、食べようとする悪魔のおばあさんだったのです!さあ、6ちゃんたちは、どうしたらいいのでしょうか。
出版社 童心社公式HPより引用
かこさとし・むしばのほん2「ぼくのハはもうおとな」
全国学校図書館協議会選定図書
作者:加古里子
出版社:フレーベル館
出版年:2010年(復刊)
おすすめ年齢:5歳児~
6歳臼歯のことを中心に解説している絵本になります。
磨きにくい生えはじめは注意が必要なことなど、親が知っておきたい内容が充実しています。
永久歯は大切なことがよくわかり、6歳頃であれば「ちゃんと歯磨きしよう」と自発的に行動するきっかけになるでしょう。
かこさとし むしばのほんシリーズ、待望の復刊! 6歳臼歯が生えるころの子どもに、永久歯の大切さをわかりやすく紹介します。
出版社 フレーベル館公式HPより引用
かこさとし・むしばのほん3「むしばになったどうしよう」
全国学校図書館協議会選定図書
作者:加古里子
出版社:フレーベル館
出版年:2010年
おすすめ年齢:小学校低学年~
「虫歯になったら」ではなく「虫歯になった」という内容の絵本です。
小学低学年向きに、虫歯予防や虫歯になったらどうしたらよいかを中心に解説。
永久歯や乳歯の番号やC1〜C4の虫歯の記号をはじめ、おやつで栄養を取る方法など、さまざまなことを知ることができます。
子どもは身に迫る部分を感じ、積極的に虫歯予防に努めるのではないでしょうか。
かこさとしさん歯の絵本まとめ
- 歯について科学的かつそれぞれの年齢向きにわかりやすく描いている
- ユーモラスな視点やキャラクター登場により、虫歯がテーマながらも明るい雰囲気がある
- 絵本を通して子どもに理由などを知ってもらうことで、自発的に歯磨きをする習慣づくりができる
きちんと歯を磨けた後は、たくさん褒めてあげましょう。