昔話や童話の意味とは?大人も興味深いそれぞれの教訓

昔話や童話の意味とは?大人も興味深いそれぞれの教訓

「ももたろう」「鶴の恩返し」「花さかじいさん」など、日本における数々の昔話や、「3匹のこぶた」「赤ずきんちゃん」「アリとキリギリス」など、世界にはさまざまな童話が存在します。

子どもにどんな絵本を読んだらいいかわからないときは、昔話や童話の絵本がおすすめです。

でも、なぜ昔話や童話が子どもに必要なのでしょうか。

ここでは、大人も興味深い教訓の数々を紹介します。

昔話から得られる道徳

昔話や童話に限らず、子どもに絵本の読み聞かせを続けることは、自己肯定感を築いたり、社会性を高めたりするのに重要な習慣です。

その中でも、昔話や童話をおすすめするのは「人としてどう生きていくべきか」という道徳があるからです。

歴史があり、数々の知恵が詰まった昔話・童話からは、社会で生きていくための重要なヒントを得ることができます。

「人にやさしくしなさい」「思いやりの心をもちなさい」などと口で言われるより、ひとつのストーリーを見聞きすることの方が遥かに学びは大きいものです。

どんな意味がある?童話と昔話の教訓

日本の昔話をはじめ、グリム童話やイソップ寓話、アンデルセン童話など、世界中にはさまざまな昔話や童話が存在します。

具体的にどんな意味をもち、どういった教訓があるのでしょうか。

イソップ寓話「うさぎとかめ」

うさぎとかめが、どちらが速く走れるかで言い争いになりました。では競争をしようと、きつねの合図で走り出しましたが・・・。イソップの世界を、音やにおいまでも感じさせる大迫力のイラストで語る、コルデコット賞受賞の姉妹作。
出版社 光村教育図書公式HPより引用

登場人物が“動物”であるのが特徴的なイソップのお話は「寓話(ぐうわ)」と呼ばれ、その中でも、もっとも有名なお話が「ウサギとカメ」です。

「自信過剰になって油断をすると、チャンスを逃してしまう」「たとえ歩みが遅くとも、一歩一歩の努力を重ねることで、大きな結果を得ることができる」というような教訓があります。

イソップ寓話「北風と太陽」

太陽が、旅人の洋服を脱がそうと競争します。北風が力いっぱい風を吹いて洋服を飛ばそうとしますが、うまくいきません。つづいて太陽がさんさんと照らすと…。
出版社 岩崎書店公式HPより引用

「冷たく厳しい態度で人を動かそうとしても、人はよけいに頑なになる」「あたたかな姿勢で、やさしさを見せることによって、はじめて人は自分から行動してくれる」という教訓です。

同じ内容を言っても、言い方や接し方で相手の心が開くか否かは変わってくるものです。

イソップ寓話「オオカミ少年」

たいくつでたまらないヒツジ番の男の子。ふと、いたずらを思いつきました。「オオカミがきた」と叫び、あわてる村人を見て大笑い。調子にのって、くりかえしていると……。
出版社 岩崎書店公式HPより引用

「嘘をつく子ども」「狼と羊飼い」としても親しまれているイソップ寓話のひとつです。

「ウソをつき続けると、本当のことを言ったときに信じてもらえない」「正直に日常を送れば、周りから信頼され、必要なときに助けてもらえる」といった、警告とも思える教訓ですね。

アンデルセン童話「みにくいアヒルの子」

必死に自分の「居場所」をさがしますが、どこへ行っても暖かく受け入れてもらえず苦労を重ねるあひるの姿は、作者のアンデルセンそのものでした。常に貧しい人、苦しい人の味方であった作者の最高傑作です。
出版社 小学館公式HPより引用

「外見で人を評価してはいけない」「人と違っていても失望する必要はなく、やがて大成する可能性をもっている」という人生のエールが込められていますね。

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アンデルセン童話「マッチ売りの少女」

雪のふる大みそか。ひとりの小さな女の子が、ぼうしもかぶらず、はだしでマッチを売り歩います。その日は誰も買ってくれません。おなかをすかせ、体のしんまでこごえ、疲れきっていました。女の子は思いきってマッチを擦り火をつけます。すると目の前にストーブがあらわれますが、マッチの火と同じ、すぐに消えてしまいます。その次もその次も。そうしてまたマッチを一本擦ったとき、たった一人、女の子をかわいがってくれたおばあさんがあらわれます。「おばあちゃん!」女の子はマッチ全部に火をつけました。おばあさんが消えてしまわないように。おばあさんは両手で女の子をだきあげ、二人は高く高くまいあがりました。出版社 童話館公式HPより引用

これほどまで「幸福」について考えさせる話は他にないでしょう。

マッチを持った少女の亡骸だけを見れば、一見「この子は暖まろうとした」としか思えないかもしれません。

しかし、少女がマッチの中にどんなに美しいものを見い出し、そして光に包まれながら大好きなおばあさんと天にのぼっていったかということは少女にしかわからないのです。

「死は必ずしも、無念なものではない」という信条、そして何より、少女の亡骸を無視して通り過ぎる人はいないことから「亡骸を無視することは、人間的に非道徳的であり、人としてあってはならないこと」という大義があります。

日本の昔話「かにむかし」

むかし、カニが拾った柿のたねをまいて「はよう芽をだせ、かきのたね」というて育てたら、実が枝いっぱいになった。するとサルがやってきて……。
出版社 岩波書店公式HPより引用

「かにむかし」「さるかに合戦」などと呼ばれて親しまれているこの昔話は「敵討ち」や「報復の連鎖」という意味合いがあります。

カニやサル、臼やハチといった愛嬌のあるもの達の登場によって一見和やかな雰囲気に思えますが、このお話は「戦争」を象徴していることに他なりません。

「人には優しくしよう」「悪事を行えば、自分に返ってくる」というような戒めがあります。

日本の昔話「花さかじいさん」

「ここほれわんわん」でおなじみの日本の昔話「花さかじいさん」を、田島征三さんが土佐弁でのびやかに語ります。見どころは、枯れ木に花が咲くシーン。「枯れ木に花を咲かせとうせ」とじんま(爺さん)が灰をまくと、画面は一瞬にして、花満開のうららかな風景に早変わり! 犬のしろが灰となっても、やがて花をさかせ、実となる、命の受け渡しが見事に描かれ、作者ご本人も「こじゃんと、えい本になったちや」と自信の作です。
出版社 福音館書店公式HPより引用

花さかじいさんは「動物の恩恵」や、よくある「隣のじいさん」タイプの昔話として括られるだけでなく、奥深い意味があります。

花さかじいさんは、心優しく地道な努力を重ねていたため結果的に恩恵を得られたわけですが、欲ばりじいさんは結果だけを求め身勝手な行いをしてきたことで苦の報いを受けます。

花さかじいさんも隣の欲ばりじいさんも、同じ行動をしているのですが、行動するときの「気持ち」に大きな違いがあることがわかります。

「自分の利益や欲ばかり出し身勝手な行いをしていると、自分に返ってくる」「良い行いをすれば恩恵が増え、悪い行いをすれば報いが増えていく。業を積むより徳を積みなさい」という教訓ですね。

童話や昔話で心が豊かに

このように、昔話や童話には、“正直者が救われる”“因果応報”“反面教師”“完全懲悪”などのさまざまな教訓があります。

また、日本の昔話においては、暮らしは貧しいけれど、あたたかい心を持った人物が登場するお話が多く存在します。

これには「人への思いやりとやさしい心を忘れずにいよう」というメッセージが込められているとも考えられるでしょう。

子どもは、さまざまなお話を通して、良心や道徳心を育んでいきます。

子どもだけでなく、大人になった今こそ読み返しても、感じることや学ぶことが深いともいえるでしょう。

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