絵本を読み聞かせる重要性「負けない心」と「賢い脳」をつくる

絵本を読み聞かせる重要性「負けない心」と「賢い脳」をつくる

昔から「本をたくさん読む子はかしこい」「絵本の読み聞かせは大事」と言われてきました。

確かに“絵本”には子育てや教育の面でも良いイメージが浸透し、実際絵本の読み聞かせをすると、子どもの感性が豊かになり、想像(創造)する力が育つことは、広く知られています。

幼児期に絵本を読み聞かせることは、感性を磨いたり想像力を育てたりするだけにとどまらず、子どもの脳や心にさまざまな働きかけをしてくれます。

読書習慣と学力の関係性

子どもの学力の高さは、親の学歴や世帯収入、遺伝するIQなどが関係していますが、それよりも注目すべきは、本が好きで読書習慣がある子どもは、学校での成績が高い傾向にあるということです。

本を多く読み、新聞を手に取り、図書館に定期的に行く習慣が子どもに与える影響は、高等教育を受けた親を持つことが子どもの学力に与える影響の4倍も大きい
引用:UCL|Reading for pleasureResearch impact case study March 2015

読書習慣と学力の関係性

文部科学省が行った平成28年度の全国学力・学習状況調査の結果からは「読書が好き」と答えている多くの子どもが、国語や算数で良い成績を収めていることがわかります。

国語だけでなく、算数にも影響があり、読書習慣があるかないかの違いによって、これらのテストの得点は、最大で10点~15点の差が生じるという驚きの結果となっています。

・読書に対する姿勢と国語Bテストの得点の関係

読書が好き:62.7点
どちらかというと好き:56.3点
どちらかというと好きではない:53.1点
読書が好きではない:47.4点
引用:文部科学省|平成28年度 全国学力・学習状況調査 報告書

・読書に対する姿勢と算数Aテストの得点の関係

読書が好き:80.4点
どちらかというと好き:76.8点
どちらかというと好きではない:75.3点
読書が好きではない:71.8点
引用:同上

これらは小学生を対象としたものですが、この傾向は中学生になってからも続くといえるでしょう。

語彙力を豊かにする絵本の読み聞かせ

読解力が高いということは、具体的にどんなことでしょうか。

「読み解く力」のキーは語彙力です。語彙が豊かであれば、物語を素早くイメージし、起承転結の理解も深まります。

結果的に「もっと聞きたい」という好奇心が高まり、長いお話であっても集中して楽しめるようになるでしょう。

習得した語彙によって話の本質を把握する力をもっていれば、小学生になったとき、授業に集中できるのをはじめ、先生や友達の話を聞けたり、自分の気持ちを言葉できちんと表現できたりします。

読書習慣と学力の関係性

これは学生時代に限ったことではなく、社会人になったときに周りと円滑なコミュニケーションができる、いわば社会で生きていくためのスキルでもあります。

幼児期における絵本の読み聞かせは、一見遊びの延長のようにも思えますが、親が子どもに最初にしてあげられるれっきとした早期教育なのです。

幼児はまだ字が読めないので、親や祖父母など身近な大人に絵本を読んでもらう必要があります。

語彙力を豊かにする絵本の読み聞かせ

親に読み聞かせてもらう絵本はもちろん、昔話をよく知っていて話してくれる祖父母が近くにいるといった場合には、子どもの想像力が深く育まれるでしょう。

幼児期に絵本にたくさんふれてきた子どもは、その後、自然に読書をする習慣ができるのです。

「自己肯定感」を築く

実は、絵本の読み聞かせには「自己肯定感」を育てる要素が詰まっています。

自己肯定感とは、ありのままの自分を認めて受け入れ、自分を尊重し、価値を感じて、自らの存在を肯定することです。

こんなことができる、こういうものを持っている、または人と比べて自分が優れているかを評価するのではなく、ありのままの自分を認める感覚です。

自分が大切な存在であり、かけがえのない存在であると思える心の土台が「自己肯定感」です。

「自己肯定感」を築く

絵本の中では、日常では起こりえない出来事が繰り広げられますよね。

たとえば、童話や昔話ではドキドキする展開やスリリングな体験を味わうことができます。

そしてそのストーリーを追うことで得られるのが「成功体験」や「達成感」です。

子どもは当然ながら生きてきた年数が浅く、大人の保護がないと生きていけません。

狭い社会で暮らす子どもにとって、広い世界を無限に体験できるのが絵本です。

今いる世界がすべてではないことを知り、脳のスイッチを切り換えることができるようになります。

結果として、くよくよした気持ちを転換する力が育ち、人として賢く生きる術=人生を豊かにする力が身についていくのです。

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「聞く力」を育てる

乳幼児期に子どもにたくさん話しかけることは、とても大切なことは広く知られています。

大人であっても、人の話やラジオなどで耳から聞くと、色々考えたり想像したりしますよね。

耳で聞くと記憶に残りやすいと感じる人もいるでしょう。

「読む」ことが脳の一部しか動いていないのに対し、「聞く」ことは脳全体が動いたという脳科学のデータもあります。

「聞く力」を育てる

「耳で聞く」ことが、いかに感性を刺激し、想像力をふくらませるものかということがわかりますね。

絵本の「読み聞かせ」は、耳から覚えるものが多く、学習の基本でもある「聞く力」が育まれます。

それも親や身近な大人が日常的に話すことばとはまた違う、正しい文法や日本語本来の美しさを、聞かせることができるのです。

幼児期にたくさん絵本の読み聞かせをすることは、ことばの発達を促し、豊かな表現力を育てることにつながります。

実体験で知識が結びつく

絵本を読み聞かせたら、実体験ができそうな内容は、体験する機会があると理解が深まります。

絵本の種類には、物語(フィクション)だけでなく、自然や科学について学べる絵本も多く出版されていますよね。

たとえば、野菜をテーマにした絵本なら、スーパーで野菜売り場に行けば、絵本で見た野菜の本物が見られます。

実体験で知識が結びつく

芋ほりや野菜づくりのような農業体験をする機会ができれば、確かな知識を得られるでしょう。

知識を実体験として経験することは、いわば学びの基本です。

室内で絵本を読むことと並行して、近所の公園や、ときには豊かな自然にふれることも大切だといえます。

人間は自然や科学の中で生きています。

フィクションの物語だけでなく、科学絵本を読み聞かせ実体験と結びつけることは、子どもにとってかけがえのない財産となるのです。

読み聞かせのコツは「楽しむこと」だけ

絵本をどんな風に読み聞かせたらいいのか知りたい人も多いでしょう。

結論からいうとスキルでいう「コツ」というのは、ありません。

もし、ひとつあげるとすれば、読み聞かせをする大人自身が絵本に興味をもち「絵本がもつ世界を楽しむ」ことです。

読み聞かせに、正解や決まった形はないのです。

膝に座らせる以外にも、ゴロンと親子で仰向けになって読むのだってありですし、読み間違えても大丈夫です。

大切なのは、テクニックよりも親子で物語を楽しみ、世界を共有すること。

心の結びつきがあってはじめて、子どもの脳は育まれます。

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