2018年度「こどものともセレクション」の作品をハードカバー絵本でもう一度。

2018年度「こどものともセレクション」の作品をハードカバー絵本でもう一度。

「こどものともセレクション」をもう一度ハードカバー絵本で楽しむなら、2018年度のラインナップはおすすめです。

「バックナンバーはもう入手できないの?」「どんなラインナップだったの?」と気になる方もいるでしょう。

ここでは、2018年度の「こどものともセレクション」の年間ラインナップや作品内容を振り返りながらレビューしていきます。

こどものともセレクション2018年度

福音館書店のペーパーバック絵本シリーズの中でも、人気があるのが「こどものともセレクション」です。

通常の新作ももちろんワクワクしますが、既にハードカバー化されているロングセラーや人気作品はやはり魅力的です。

「バックナンバーはもう手に入らないの?」

と思う方もいるでしょう。

こどものともセレクションは年度をまたいでしまうと基本的に配布は終了するため、ペーパーバック絵本としての購入は難しくなります。

しかし、市販のハードカバー絵本であれば、過去の作品をいつでも楽しむことができるのです。

ペーパーバック絵本も便利で良いですが、ハードカバー絵本は丈夫で長持ちするというメリットがあります。

では、2018年度に「こどものともセレクション」として選ばれ、刊行された絵本12冊を振り返ってみましょう。

こどものとも絵本「バルバルさん」


著者:乾 栄里子
画家:西村 敏雄
出版社:福音館書店
出版年:2008年
おすすめ年齢:3歳児~

2018年4月号の作品は「バルバルさん」でした。

床屋は英語でbarber(バーバー)、「バルバルさん」とはよく考えたものです。

床屋のバルバルさんの働きぶりを通して、子ども達はどんなことを感じるでしょうか。

「予想外のことは楽しいことなんだ」

または少し大きい子なら「仕事って楽しくてやりがいがあるんだな」と思うことだってあるはずです。

看板のイタズラ書きをしたのは、一体誰でしょうね。

バルバルさんは、町の床屋さん。毎日楽しく働いていますが、ある日、ライオンが、たてがみをきれいにしてほしいとやってきます。次にワニが毛をはやしてほしいと、ヒツジがプードルみたいにしてほしいと、次々に動物のお客さんがやってきました。初めはびっくりしていたバルバルさんも、だんだん楽しくなって注文にこたえていきます。夕方、店を閉めようとすると、看板にいたずら書きが……。出版社 福音館書店公式HPより引用

こどものとも絵本「おおきなかぶ」


再話:A・トルストイ
翻訳:内田 莉莎子
画家:佐藤 忠良
出版社:福音館書店
出版年:1966年
おすすめ年齢:3歳児~

5月号の作品には、かの名作「おおきなかぶ」が登場しました。

数ある福音館書店の絵本の中でも、代表的な1冊といえます。

おじいさんがかぶを抜こうとして、おばあさん、孫娘、犬、猫、ねずみと続いてはじめてかぶが抜けるわけですが、これには奥深い教訓があるように思えます。

先にかぶを抜こうとしたのが、仮に、ねずみ、猫・・・の順番だったらどうでしょうか。

最後にくるのは登場人物の中で1番力のあるおじいさんということになり「結局、力がある人物がいないと物事は解決しない」と子どもは学習してしまう可能性もありますよね。

小さなねずみが最後に加わるからこそ、この物語を読み聞かせる希望があるのです。

おじいさんが植えたかぶが、甘くて元気のよいとてつもなく大きなかぶになりました。おじいさんは、「うんとこしょどっこいしょ」とかけ声をかけてかぶを抜こうとしますが、かぶは抜けません。おじいさんはおばあさんを呼んできて一緒にかぶを抜こうとしますが、かぶは抜けません。おばあさんは孫を呼び、孫は犬を呼び、犬は猫を呼んできますが、それでもかぶは抜けません。とうとう猫はねずみを呼んできますが……。力強いロシアの昔話が絵本になりました。出版社 福音館書店公式HPより引用

ばばばあちゃんの絵本「あめふり」


作者:さとう わきこ
出版社:福音館書店
出版年:1987年
おすすめ年齢:3歳児~

6月号の作品は梅雨にちなんで、ばばばあちゃんの絵本「あめふり」が選ばれました。

和やかな絵柄の表紙からは想像できないほどの、大きなスケール感。

外の様子や部屋の様子など、見事にひとつひとつの背景や道具まで丁寧に描かれています。

雨ばかりの日も「あの雲の上には・・・」とイメージがふくらみそうな、楽しさ満点の作品です。

毎日雨が降り続くのに怒ったばばばあちゃんは、暖炉やストーブに薪を沢山くべて、こしょうやとうがらしを入りのからいからい煙を作ります。空では、かみなりたちがたまらず「ハックショーン」。あんまり大きなくしゃみをしたので、雲がちぎれて、かみなりも雲も地上の泥水に落ちてしまいました。空はすっかり青空に。ばばばあちゃんは大喜びですが、かみなりたちはしばらくばばばあちゃんのうちに泊まって、雲の洗濯に大忙しです。出版社 福音館書店公式HPより引用

こどものとも絵本「トマトさん」


作者:田中 清代
出版社:福音館書店
出版年:2006年
おすすめ年齢:3歳児~

7月号の作品は「トマトさん」でした。

比較的最近生まれた作品で、現代の絵本作品を象徴しているような画風ともいえます。

しかしこの作品は、昨今よく見受けられる単にウケを狙っておもしろおかしく進行するというものではなく、非常に感心できる内容。

子ども達が心で感じるものが大きい作品といえるでしょう。

ある暑い夏の日、真っ赤に熟れたトマトさんが、地面に、どったと落ちてしまいます。ミニトマトたちは小川へ「ころころぽっちゃん」と飛びこんでいきますが、トマトさんは体が重くて転がっていけません。太陽に照らされているうちに、トマトさんは、どんどんあつくなってきて……。大胆かつ繊細な銅版画で描かれた、トマトさんの迫力満点の表情をお楽しみください。出版社 福音館書店公式HPより引用

ぐりとぐらの絵本「ぐりとぐらのかいすいよく」


作者:中川 李枝子
画家:山脇 百合子
出版社:福音館書店
出版年:1977年
おすすめ年齢:4歳児~

8月号は夏らしい雰囲気がいっぱいの「ぐりとぐらのかいすいよく」がラインナップ。

海水浴やプールに入る機会が多い夏にぴったりの作品です。

泳ぎ方のページは、子どもが何度見ても楽しい構成になっています。

登場人物のうみぼうずに怖い雰囲気がなく、親しみやすいキャラクターなのもいいですね。

和やかで楽しく、神秘的な雰囲気もある作品です。

ぐりとぐらが浜辺で遊んでいると、沖から葡萄酒の空き瓶が流れてきました。栓を開けてみると、中には「しんじゅとうだいへきてください」という、うみぼうずからの手紙が入っていました。ぐりとぐらが、浮き袋をつけてうみぼうずの島までたどりつくと、うみぼうずは灯台の真珠のランプを穴に落としてこまっていました。ぐりとぐらは穴に入って真珠をもちかえりました。うみぼうずはお礼に、いろいろな泳ぎ方を教えてくれるのでした。出版社 福音館書店公式HPより引用

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こどものとも絵本「きょだいなきょだいな」


作者:長谷川 摂子
画家:降矢 なな
出版社:福音館書店
出版年:1994年
おすすめ年齢:3歳児~

9月号の作品は「きょだいなきょだいな」でした。

繰り返しのフレーズが面白く、子どもの興味を惹きつけてやまない名作のひとつです。

躍動感あふれる絵が、見応えのある1冊。

表情さまざまな大勢の子ども達やキツネのアウェイ感がユニーク。

あったとさ、あったとさ。広い野っぱら、どまんなか、巨大なピアノがあったとさ。子どもが100人やってきて、ピアノの上で鬼ごっこ……。広い野原のまん中に、巨大な電話、巨大なトイレットペーパー、巨大な泡立て器など、巨大なものが出現し、子どもたちがそこで自由に遊びます。電話は地獄につながったり、泡立て器は空に雲を湧きおこしたり、奇想天外な出来事をまきおこします。リズミカルな言葉と元気な絵の楽しい絵本です。出版社 福音館書店公式HPより引用

こどものとも絵本「くいしんぼうのあおむしくん」


作者:槇 ひろし
画家:前川 欣三
出版社:福音館書店
出版年:2000年
おすすめ年齢:3歳児~

10月号の作品は「くいしんぼうのあおむしくん」です。

内容はトリッキーでスペクタクル、あり得ないけれど妙にリアリティも感じてしまうから不思議です。

こういう作品にふれあうのは、子どもに「自分が生きている世界が全てではない」と感じさせる大切なきっかけになります。

頭のスイッチが切り替えられ、結果的にくよくよしたり、悩んだりするサイクルから抜け出すことができるからです。

ある日まさおの帽子についていたのは、何でも食べる青虫くん。最初は紙屑やごみを食べていたのですが、それだけでは足らず、家や船、まさおのパパやママ、町や国まで飲み込んでしまい、ついにはまさおのことまで食べてしまいます。ところが、青虫くんのおなかの中で、まさおが見たものは……。著者が絵画教室の子どもたちに語っていたお話の中から生まれた、奇想天外な絵本。出版社 福音館書店公式HPより引用

こどものとも絵本「とべ!ちいさいプロペラき」


作者:小風 さち
画家:山本 忠敬
出版社:福音館書店
出版年:2000年
おすすめ年齢:3歳児~

11月号の作品は「とべ!ちいさいプロペラき」でした。

乗り物しか出てこないのに、こんなに勇気づけられるのはなぜでしょう。

単なる乗り物紹介や図鑑のような内容ではなく、この絵本には、乗り物を通して「自分らしく生きること」のすべてが詰まっています。

子ども達が不安になったり、葛藤したりしたときに、思いきり励ましてくれるでしょう。

背景の青空のように明るく、前向きな作品です。

初飛行を迎える小さなプロペラ機のいる格納庫へ、大きなジェット機が入ってきました。小さいプロペラ機はすっかり圧倒されてしまいます。するとジェット機が言います。「元気をお出し、プロペラくん。まず、空を飛んでごらん。そうすれば、きっと僕らの大きさのことなど忘れてしまうよ」と。そして、初飛行にのぞんだ小さなプロペラ機は、力いっぱいエンジンをふかし、飛び立ちます。胸をはって、どこまでも広がる大空へ!出版社 福音館書店公式HPより引用

こどものとも絵本「あやちゃんのうまれたひ」


作者:浜田 桂子
出版社:福音館書店
出版年:1999年
おすすめ年齢:3歳児~

12月号は「あやちゃんのうまれたひ」でした。

主人公がお腹にいたときや、寒い季節の晩に生まれたことを描いています。

忙しい育児に追われるお母さんお父さんが「その日」のことを、あたたかく思い出せる作品です。

ぜひ「○○が生まれたときもこんなかんじだったんだよ~!」と言いながら、読み聞かせてあげてくださいね。

紹介している12冊の中では、もっとも親子でのスキンシップやコミュケーションがはかれる絵本でしょう。

あやちゃんはもうすぐ6才の誕生日。お母さんはあやちゃんが生まれた時のことを話してくれます。生まれる予定の日が過ぎて、お父さんもおばあちゃんもおじいちゃんも待ちきれなくなっていた、ある寒い寒い晩のこと、お腹の中で赤ちゃんの生まれる気配がして、お母さんは病院に向かい、あやちゃんを産んだのです。赤ちゃん誕生をめぐる家族の期待、喜び、感動を、しみじみと温かく描きます。出版社 福音館書店公式HPより引用

こどものとも絵本「かさじぞう」


再話:瀬田 貞二
画家:赤羽 末吉
出版社:福音館書店
出版年:1966年
おすすめ年齢:4歳児~

「かさじぞう」ほど、冬にぴったりの作品はないでしょう。

赤羽末吉さんの画によって、昔話の神秘的な雰囲気が見事に表現され、屏風風の見開きも味わい深いです。

ハードカバー絵本であればその世界観をより深く長く、本格的に楽しめるでしょう。

編み笠を作って暮らしているじいさんは、正月の餅を買うために、笠を五つ持って町に売りに出かけましたが、さっぱり売れません。そのうちに日が暮れて雪も降ってきたので、しかたなく戻ってくる途中、野原に立っているお地蔵さまに雪が積もっているのを見て、持っていた笠を全部かぶせてあげました。翌朝、どこからか橇引きの声が……。赤羽末吉の最初の絵本。出版社 福音館書店公式HPより引用

こどものとも絵本「いもうとのにゅういん」


作者:筒井 頼子
画家:林 明子
出版社:福音館書店
出版年:1987年
おすすめ年齢:3歳児~

2月号の作品は「いもうとのにゅういん」でした。

主人公が不安になったり緊張したりする様子、頑張る姿に子どもの共感をよぶ作品です。

下の子が生まれて不安だったり、なんとなく甘えたくなったりしたときに、子どもの心に寄り添ってくれるでしょう。

あさえが幼稚園から帰ってくると、お母さんはぐったりした妹のあやちゃんを病院につれていくところでした。友だちと遊びながら待っていると、お母さんが帰ってきて、あやちゃんが盲腸の手術で入院することになったといいます。あさえはお父さんが帰ってくるまで、ひとりで留守番をします。そのうち暗くなって、雷が鳴り……。妹の入院でちょっぴりお姉さんになったあさえの物語です。出版社 福音館書店公式HPより引用

こどものとも絵本「ジオジオのかんむり」


作者:岸田 衿子
画家:中谷 千代子
出版社:福音館書店
出版年:1978年
おすすめ年齢:3歳児~

2018年度を締めくくる3月号の作品は「ジオジオのかんむり」でした。

この作品は、子どもへの読み聞かせだけでなく、高齢者の方にもおすすめです。

寝たきりの方や、ほとんど目が開けられない方、話すことができない方、さまざまな方の心に響くような、あたたかい内容となっています。

ジオジオはライオンの中でも一番強かった王さまで、立派なかんむりをかぶっています。でも、ひとりぼっちでした。そこへ、卵をすべて失った小鳥がやってきました。嘆く小鳥にジオジオは語りかけます。「たまごをうみたいなら、いいところがあるぞ」。それはなんとジオジオのかんむりの中。ここなら安心、たまごは無事かえり小鳥たちは元気にジオジオのまわりを飛び回ります。年老いたライオンと小鳥との心の交流を優しいタッチで描きます。出版社 福音館書店公式HPより引用

2018年度「こどものともセレクション」まとめ

紹介した作品はペーパーバック絵本としての配布は終了してしまいましたが、ハードカバー絵本であれば、書店などで引き続き手に入れることができます。

「こどものともセレクション」にラインナップされている作品はどれも、魅力的な内容ばかりです。

過去の作品をハードカバー絵本で楽しむとともに、最新年度の内容をチェックして申し込み忘れがないようにしましょう。

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